ザックジャパンに暗雲・・・岡崎、長谷部、高徳がオーストラリア戦ピンチ!〔W杯アジアイ最終予選〕

 【フランクフルト(ドイツ)28日】引き分け以上で日本の5大会連続W杯出場が決まる6月4日のアジア最終予選・豪州戦(埼玉)に、主将のMF長谷部誠(29)=ウォルフスブルク、FW岡崎慎司(26)、DF酒井高徳=(22)=ともにシュツットガルト=が、試合前日合流を強いられる可能性があることが分かった。ドイツ・サッカー協会が、ドイツ杯決勝(ベルリン)の開催日を6月1日に決定。準決勝に進出している3人の状況が、日本の命運を大きく左右する。

 ザック・ジャパンに新たな大問題が浮かび上った。MF長谷部、FW岡崎、DF酒井高に、6月4日の豪州戦で前日合流の超過密日程を強いられる可能性が浮上。最悪、出場が危ぶまれる事態が現実味を帯びてきた。

 「まだ監督には伝えていません。頭を悩ませる問題になると思います」

 日本協会関係者が明かした。ドイツ協会は今季のドイツ杯決勝(ベルリン)を6月1日に組み込むことを決定。準決勝でウォルフスブルクは4月16日にバイエルン・ミュンヘンシュツットガルトは同17日にフライブルクと対戦。勝ち残れば6月2日出発、3日帰国の過酷日程を強いられることになった。

 タイトル獲得は各選手の成長につながる貴重な経験だが、時差7時間、12時間の長距離移動を経て前日合流での状態維持は困難といえる。精神的支柱の主将・長谷部、代表通算32得点を決める岡崎は不動の存在だけに、起用法に影響すれば一気に大ピンチとなる。

 前哨戦のキリンチャレンジ杯・ブルガリア戦(豊田)が行われる5月30日は国際Aマッチデーではなく、代表側に拘束権はない。大半の欧州リーグは5月19日で全日程が終了するため、ザッケローニ監督は10日間前後の欧州組合宿も計画するが、こちらにも参加はできなくなる。

 1−2で敗れたヨルダン戦はMF本田圭佑CSKAモスクワ)、DF長友佑都インテル・ミラノ)の2人を欠いた。この2人は豪州戦には出場できそうだが、長谷部&岡崎が不在なら二の舞もあり得る。

 「まだ本当の強さ、試合巧者という部分で足りない部分がある」という長谷部。2試合で勝ち点1を得ればW杯出場決定の優位は変わらないが、94年W杯予選で2試合で勝ち点1を奪えば出場権獲得だったフランスが2連敗した例も。ザック・ジャパンの苦悩は続く。