インテル日本代表DF長友佑都がヘッドで開幕Ⅴ弾!

◆イタリア・セリエA第1節 インテル2―0ジェノア(25日・ミラノ) 日本代表DF長友佑都(26)が25日、セリエAで1年8か月ぶりとなるゴールを挙げた。ジェノアとの開幕戦に左ウイングバックでフル出場。後半30分、右からのクロスに体ごとゴールに突っ込み、ヘディングで先制点となる決勝ゴールを挙げた。試合は2―0で勝利。2014年W杯ブラジル大会につながる大切なシーズン初戦を最高の形で飾った。

 長友の今季にかける意気込みがこもっていた。フワリとした右クロスに、左サイドから攻撃参加しゴールへFWパラシオと同時に突っ込んだ。ボールはパラシオの頭上をわずかに越え、頭にドンピシャ。ボールとともに体ごとゴールになだれ込んだ。恒例のお辞儀パフォーマンスから歓喜の抱擁。インテルの13―14年シーズンは、長友ら総勢7人の礼に始まった。

 一昨季の11年12月13日のジェノア戦以来、約1年8か月ぶりのリーグ通算5点目。欧州の主要リーグ開幕戦で決勝点を挙げたのは、岡崎(マインツ)に続き史上4人目になる。「信じて何回も(ゴール前に)入り続けた結果、ああいうゴールにつながった。信じて入ってなければ、決まっていないゴールだった」と振り返った。

 昨季は2月24日のミラノダービーで左膝を負傷。終盤戦で約2か月半も戦線を離脱し、25試合0ゴールという渡欧3季目でワーストの成績に終わった。長友のみならず15人もの故障者が続出したチームは9位に沈み、14シーズンぶりに欧州カップ戦出場権を逃した。今季はリーグ戦一本に絞らざるを得ないが「イタリアに来てスクデット(優勝)を取ってないんで取りたい。リーグに集中できるのはいいことだと、前向きに考えている」と話す。

 日本代表では4バックの左サイドバック。3バックを採用するマッツァーリ新監督の戦術では、一段階前めの左ウイングバックが定位置になる。ナポリを昨季2位に導いた実績を持つ同監督。精密な連係で崩す攻撃スタイルを長友は歓迎する。戦術マニアの理論派イタリア人監督ということで、ザッケローニ日本代表監督との共通点も多い。「ここでの経験は必ず生きてくると思う」と長友。コンフェデ杯から守備崩壊が止まらないザック・ジャパンへもたらされるものは小さくないはずだ。

 「(体調は)8割くらいに上がってきている。もっと上がっていく」。世界トップクラスのスピードとスタミナを兼ね備える長友はインテルと日本代表に共通する武器。セリエA制覇とW杯優勝という大きな夢へ突き進むシーズンが始まった。