マンチェスター・ユナイテッドが香川のゴールなどでセレッソ大阪に引き分ける

【AFP=時事】イングランド・プレミアリーグマンチェスター・ユナイテッドは26日、大阪長居スタジアムで、香川真司の古巣セレッソ大阪と親善試合を行い、試合は2-2の引き分けに終わった。

 ユナイテッドは後半ロスタイムにウィルフレッド・ザハのゴールで引き分けに持ち込み、プレシーズンに行っているアジア遠征での3敗目を免れた。

 1年前にドイツ・ブンデスリーガ1部のボルシア・ドルトムントからマンチェスター・ユナイテッドに加入した香川は、セレッソ大阪のGK金鎮鉉(キムジンヒョン)にPKを阻まれたものの、その数分後には得点を記録し、長居スタジアムを満員にした4万4856人の観衆を喜ばせた。

 約2週間前にタイのバンコクシンハー・オールスターズに0-1で敗れ、オーストラリアのシドニーでは5-1でAリーグ・オールスターズに勝利したものの、横浜F・マリノスに2-3で敗れたユナイテッドは、アジア遠征の成績を2勝2敗としている。

 マンチェスター・ユナイテッドデビッド・モイーズ監督は、試合後に「満足している」と語った。

「チームは良いプレーをしていた。終盤の得点にはとても喜んでいる。このアジア遠征で最高のパフォーマンスだったと思う」

 試合終盤にザハが決めた同点ゴールは、うだるように暑い気温の中で行われた試合で、イングランド・プレミアリーグ王者が最後まで諦めなかった結果だった。

 コートジボワール出身で20歳のザハは、イングランドU21代表にも選出されており、1月にクリスタルパレスからマンチェスター・ユナイテッド移籍が決まっていた。

 昨季終了後に長年マンチェスター・ユナイテッドを率いたアレックス・ファーガソン監督からチームを引き継いだモイーズ監督は、ザハについて、「彼は大人しいし、まだすべての人が知っているわけではない」と語った。

「今夜は彼のためになるはずだ。チームに何かを起こすことができることを証明してみせた」

 前半34分にセレッソ大阪は、クリス・スモーリングインターセプトされたパスのこぼれ球を拾った杉本健勇が、マンチェスター・ユナイテッドのDF2人をかわし左足で先制点を挙げた。

 迎えた後半、ユナイテッドはアシュリー・ヤングペナルティーエリア内でセレッソ山下達也に倒されたが、獲得したPKを香川が決められなかった。

 しかし、香川は直後の同9分に得点を記録し、少しだけプライドを取り戻した。ライアン・ギグスのクロスを受けた香川は、セレッソ大阪のGK金の股下を抜けるシュートで同点ゴールを決めた。

 2010年にセレッソ大阪からドルトムントへ移籍した香川は、「PKを外してしまったので、自分の中に相当な重圧があった。なんとか得点できて良かった。それが嬉しい」とコメントしている。

 そして香川が古巣のサポーターからの歓声を浴びながらベンチに退いたその数分後、セレッソ大阪は後半18分に18歳のストライカー、南野拓実ペナルティーエリアの外から素晴らしいシュートでチーム2得点目を奪い、イングランド王者を驚かせた。

 しかし、ザハが試合終了間際にゴールを決めたことで、マンチェスター・ユナイテッドは同点に追いつくことができた。

 セレッソ大阪レヴィー・クルピ監督は、「アディショナルタイムで集中力を欠いたことで、致命的なミスをしてしまった。私たちが勝てた試合だった」と語った。