日本、中国に痛恨のドロー

◆男子東アジアカップ2013 ▼第1戦 日本3―3中国(21日・ソウルワールドカップ競技場) 柿谷が代表デビュー戦をゴールで飾った。国際サッカー連盟(FIFA)ランク37位の日本は初戦で同100位の中国と対戦。1―1の後半14分にFW柿谷曜一朗(23)=セレッソ大阪=が一時は勝ち越しとなるゴール、同15分にはアシストもマークした。しかし、その後に2失点を喫して3―3でドロー。コンフェデレーションズカップ(6月・ブラジル)で3戦9失点のアルベルト・ザッケローニ監督(60)は、再び守備の修正に迫られそうだ。


 ザッケローニ監督は試合後、努めて明るく振る舞った。「前半の入りの15分、終わりの15分を除いた60分は、良いサプライズだった。私の想定よりよくやってくれた。良いところ、悪いところがあったが、私は良いところを見たい」。出てくるのは、おおむね前向きな言葉。だが、格下の中国相手に3失点、引き分けには、到底満足できる結果とは言えない。

 また、守備が崩壊した。前半4分、DF栗原がPKを与えて先取点を献上。2点リードで迎えた終盤にはPKに加え、DFラインがそろっている中で失点を喫した。コンフェデ杯の3試合9失点に続く大量失点。2失点に絡んだDF栗原は「個人の問題でやられている。守備は日本の課題でもあるし、僕自身の課題でもある。反省しなきゃいけない」と頭を下げた。

 指揮官は新戦力の発掘と同時に、「代表に呼んでも、出場機会が少なかった国内組にチャンスを与える」と今大会を位置づけている。ザックジャパン常連の栗原を始め、DFラインは駒野、槙野と先発4人のうち3人が頻繁に招集される選手で構成された。コンフェデ杯を受け、今回結果を残せば序列を変えるチャンスだったが、初戦は評価を落とす格好になった。

 DFだけの問題とは言い切れないが、今回は個人の対応次第で防げる失点ばかり。ザッケローニ監督は「暑さの中で、最後に中国の体格を生かしたサッカーに耐えきれなかった。肉体的、精神的疲労があった」と受け止めた。しかし、W杯に出場する国は中国よりも大柄で、技術が高い国ばかりと言っていい。残されたチャンスはあと2試合。ザック・ジャパン生き残りへのハードルが一段と高くなった。